大学へ非常勤講師として教えに行くようになり、事務所でも近所の大学生にアルバイトに来ていただいています。毎年次々と新しい学生さんと接していますが、時々「大学に来てみたらデザインって思っていたことが違った。」というたような発言を聞くことがあります。特に「デザイン」という言葉から綺麗な絵があったり華やかな発表会があるなどのイメージがあるのでしょう。しかし、大学に来てみると大半の時間は地道な制作作業や調査をすることになり、今まで「ある」ものを見たり選んだりしていたことと、それを自ら「つくる」ことになったとき見えていなかった必要とされるエネルギーとの差に驚いてしまうのかもしれません。大学そして働いたときのデザインのイメージが、入学前に少しでも伝わることを第一の目的にしています。
プロダクトデザイン、映像表現、グラフィックなどジャンルが違えば必要とされる知識も技術も変わってきます。 デザインを学ぶ学校といっても自分が学びたいと思っているコースや専攻があるかどうかは十分確認する必要があります。また同じプロダクトデザインというコースだとしても各大学でカリキュラムは違っており、学ぶ内容も当然違ってきます。各学校はそれぞれの歴史があり、地域とのつながりがあり、教員の考え方や方針があり、それらを反映した内容になっており、そしてそれが各学校の特色になります。もちろん学生さん本人の意向で何でも勉強できますし、制作も自分が良いと思うものを制作するのが一番ですが、学ぶ環境と相性が良いことも重要です。
名古屋において建築出身のプロダクトデザイナー、人間工学を大学で学んだプロダクトデザイナー、紙媒体中心のグラフィックデザイナーの小さな組織で運営していますので、地域や内容の偏りが避けられず、更新頻度も高くないと思いますがご容赦ください。
これからデザインを学ぼうとしている高校生(中学生でも大学生でも)、お子さんがその道に進むことを心配されている親御さんのご参考になれば幸いです。