先日名古屋近郊のデザイン系大学で、オンライン授業の取り入れなど近況をお聞きする機会がありましたので、その状況を簡単にまとめます。どこの大学も初めての状況なので、手探りながら学生さんにより良い学習環境を提供できるか苦心しています。何よりも学生さんの健康が第一ですが、デザイン系では実習が必要になるため、感染に注意しながら登校できる方法を検討しています。
どの大学も今年度の卒業制作展を例年通りには開くことができないと予想し、どのように行うか検討しているとのことです。現物展示はするが来客者は予約制にするか、オンライン開催とするか、会場(美術館やギャラリー、自大学内施設)はどうするかなど検討事項が多く、皆さん悩んでいます。
卒業制作展などデザインの展示や説明をする方法を考えたときに、これまで以上にオンラインの特徴を活かしたプレゼンテーションが重要になりそうです。動画であったり、インタラクティブな映像であったり、実物を作ることと並行してプレゼンテーション資料作りにも力を入れることが必要になるでしょう。
下記内容は主にプロダクトデザイン関係の教授や非常勤講師の方から、情報交換として簡易的にお聞きした内容です。学校としての正式な方針、方法とは違っていることもあるかもしれません。
大同大学
大学が工学部中心なので実験、実習なしでは成り立たないため、大学の施設は感染に注意しながら使えるようになっている。4年生は卒業制作まで行うか、卒業論文でよいとするか調整している。
名古屋市立大学芸術工学部
後期は感染に注意しながら対面の授業を行う予定。例年夏に行っている学生自主制作展「卓展」はオンライン開催とする。
名古屋学芸大学
学生が多数で集まることは控えている。1~3年生は後期もオンライン授業を原則とする。毎年行っている3年生の制作展「コンタクト展」はオンライン開催とする。
名古屋芸術大学
4年生のみ卒業制作のために施設を使えるようにしている。1~3年生はオンライン授業を原則とする。
名古屋造形大学
4年生のみ卒業制作のために、学校の木工室など制作に必要な施設を使えるようにしている。4年生の卒業制作中間発表はオンラインで行った。1~3年生は原則オンライン授業。ただしカリキュラムを組み換えて、実習が必要な授業内容を来年度にして、今年はオンラインでも可能な内容にするなど調整している。例年夏休み前に行っている2.3年生の作品展は中止となった。
扉画像:fishopen770によるPixabayからの画像